物質が燃焼するためには、可燃物、酸素供給源、点火源(点火エネルギー)の三要素が必要です。これを「燃焼の三要素」といいます。
1)可燃物
酸化されるものは、すべて可燃物になり得るわけですが、すでに酸素と飽和状態まで化合しているもの、例えば、二酸化炭素は可燃物になり得ないので、不燃性ガスや消火剤として用いられています。また、窒素ガスのように酸化反応をするが、それが発熱反応とならないものは可燃物とはなりません。
可燃物質の数は極めて多く有機化合物の大半はそれで、例えば、木材、石炭、ガソリン、メタンガスなどかあります。
2)酸素供給源
普通の燃焼には空気が必要です。酸素は空気中に約21%存在していますが、この酸素は分子の状態で結合しやすい状態になっています。空気中の酸素のほかに化合物の中にある酸素も供給源となります。すなわち、酸化剤の中の酸素がこれです。
危険物の第一類の酸化剤がこの例です。また、可燃物がそれ自体の中に酸素を含んでいて酸素の供給を必要としないものがあります。例えばセルロイド。
可燃物自体の中に酸素を含んでいるもので第五類の危険物は自己燃焼と呼ばれます。また、燃焼速度が速く爆発的であることから、これを内部燃焼といいます。
3)熱源(点火エネルギー)
点火源とは、可燃物と酸素を活性化させ反応を起こさせるためのエネルギーを与えるものです。
例えば、木材を燃やすときマッチで点火するが、これはマッチの熱エネルギーが木材と酸素を活性化させるエネルギーとなるためです。
火気はもちろんのこと、炎、加熱、電気火花、静電気、摩擦熱、衝撃などによる火花は点火源となりうる要因です。