石巻「涙の復活」 神戸「震災伝承」
マーチよけ! 消防音楽隊
鈴木  孝也 著  四六上製本/158頁 定価(本体1,389円+税)

「ふるさとの復興と火の用心を音楽に託して」
東日本大震災では津波により甚大な被害を受け、最大の被災地となった石巻市。震災対応に追われ、いつ正常な状態に戻るのかの見通しも全く立たない中、休止どころか廃止の危機に直面、艱難辛苦にもめげす音楽を奏でようとする隊員の熱き思いと市民の応援、再生・石巻地区消防音楽隊の軌跡と、もう一つの大震災から防災・減災に積極的な取り組くむ神戸市消防音楽隊をリポート!
両音楽隊はともに被災地に寄り添う音楽隊なのだ。

= 主 な 目 次 =
序章 活動再スタート
・消防史に刻む演奏/艱難辛苦にめげず
第1章 つなぐ
01 存廃問題に苦悩
 ・楽器や制服が流出/後押しする市民ら/目標に川開き祭り
02 復活への狼煙
 ・沿道から激励の声/標語の実行を願う
03 リード役に期待
 ・特訓の成果に満足/技術の向上に努力
04 試練乗り越え奮闘
 定期演奏会が力に/家族の安否を気遣う/十分な費用対効果
05 自らを律する楽長
 ・挫折が音楽の起点/苦労は奏者の方
06 家族と職員に感謝
 ・再開前に成果披露/躍動感ある舞台に
07 意志を貫く女性隊員
 ・活躍知り大学中退/街場を離れて練習/音楽を心の支えに
08 決して遅くない
 ・意識改革に挑戦/市民との関わりを
09 楽器の中に生き続ける
 ・2人の同士を失う/どこかで救助活動/ドラムも再び活動
10 忘れられない朋友
 ・毎朝メールで相談/先に若い職員を/2人の小野寺を慕う
11 殉職者のその日
 ・津波常習地のリアス式/15メートル前後の大津波
12 地道な音づくりの歴史
 ・名コンビが力発揮/翌年にはデビュー/制服音楽隊に注目
13 礼儀を重んじるOB
 ・全てにつながる/堂々とした姿に涙/打ち上げが別れ
14 初代楽長の功績
 ・隊長が1時間説得/ホースから楽器に/胸を張っていい
15 礎築く前身音楽隊
 ・「じんた」が出発点/格好が良い脚絆姿/復興住宅で元気に
16 意見発表「心の復興」
 ・「心の復興」女川消防署牡鹿出長所 阿部 充
第2章 支える
01 音楽構成は二人三脚
 ・民間指導者を招聘/ファンとして応援
02 病と闘い続ける声楽家
 ・丁寧に音を出す学習/一緒に過ごす喜び/地元音楽界に貢献
03 吹奏楽のまっちゃん先生
 ・市民のための楽隊/音楽はビタミン剤/幹部の英断に敬意
04 ビッグな贈り物
 ・音楽隊再開への弾み/楽器で地元を元気に
05 夢のJコンサートへ
 ・方面音楽隊に依頼/プロの指揮に感謝/記念の日を心待ち
06 交流深まる賛助出演
 ・2つだけの音楽隊/ジャズバンド形式/通常業務にも効果
07 心強い市民応援団
 ・心こもる曲に感謝/スローガンに共感/発表の機会を多く/消防に親しみ増す
第3章 伝える
01 神戸から愛と元気を
 ・3県で支援演奏会/「神戸」の文字に涙/防災教育につなぐ
02 被災地から感謝の言葉
 ・「今もあの感動が」
03 阪神大震災でも音楽の力
 ・再開して元気付け/強う基盤が支える
04 「♥いのちコンサート」
 ・震災後世代に伝承/地域に輪を広げる/まちづくりに貢献
05 諸課題の克服に努力
 ・人材確保策に妙案/復活音楽隊へ声援
※コラム 音楽の力
※資料 消防音楽隊のルーツ