地域防災力を高める
「やった」地といえるシンポジウムを!
■NHK解説委員 山ア 登著
四六判/348頁 定価(本体1,800円+税)送料209円
地域の防災力をどう高めていくか

 国と自治体、それに地域社会や住民一人ひとりが防災や災害情報に対する知識を含め、問題意識を共有しておくことが重要だ。各地で開催される防災シンポジウムが「やりました」というだけの主催者側の自己満足に終わらず、地域の防災力が高まるための大きな力になることを期待したい。
   = 主 な 目 次 =
はじめに及び目次
第1章 地域の防災力を高めるために
地域の防災力の大切さ/なぜ、地域の防災力を高めるのか/進む高齢化にどう対応するか/都市の防災力をどう高めるか/ 始まった都会での取り組み/高齢化時代に向けて/住宅の耐震化を進めよう/公共施設の耐震化/防災教育を進める/大震災を語り継ぐ
コラム
新型インフルエンザと危機管理
災害時の連絡手段 電話の活用術
首都の機能を守れ
文化財を地震から守る
第2章−1 増える豪雨と洪水対策
地域の力で被害を防ぐ/地元に行動を促すための情報/雨の降り方が変わった/防災対策の変化と変わってきた都市/水害の被害の状況/情報をどう受け取るか/逃げたくない心理を超える情報提供/洪水対策には地球温暖化対策の観点も/求められる対策/教訓を生かす
コラム
わかりやすくなった台風情報
都会に自然を取り戻したい
顕著な被害の台風には特別な名前を
必要なのは複数の伝達手段
“ ゲリラ豪雨” に備える
第2章−2 地震の被害を防ぐ
地震の防災対策 / 2007 年、緊急地震速報始まる/速報が威力を発揮する地震とは/緊急地震速報の仕組みと特徴/夢を可能にした観測技術と解析技術の進歩/緊急地震速報を防災に生かす/ 緊急地震速報を聞いたら/緊急地震速報を聞いたら(続き)/課題はみんなが知ること、知らせること/情報は社会の中で育つ/科学の進歩を社会が生かす
コラム
緊急地震速報までの長い道のり
墨田区のモデルハウスの公開
家具の固定で被害を防ぐ
65 年ぶりの震度6 と東海地震
第2章−3 津波の被害を防ぐ
津波警報とはどういうものか/インド洋大津波にみる津波の恐ろしさ/津波の破壊力/太平洋側は津波の危険地帯/北日本を襲う巨大津波/ 一刻も早い津波警報を/防災意識が被害を減らす/地域が主体の津波対策/災害に弱いアジア/津波防災での国際貢献/津波対策は素早い避難が一番
コラム
稲むらの火 その実像を知る
訓練が生きる津波対策
津波予報の放送の迅速化
太平洋津波警報システム
第2章−4 土砂災害の被害を防ぐ
対策が困難な土砂災害/新しくなった土砂災害の情報/土砂災害の3 つの種類/増える土砂災害/岩手・宮城内陸地震と土砂災害/岩手・宮城内陸地震からみえた課題/大雨洪水警報の基準が変わった/土砂災害の被害を減らすために/避難情報を早めに出すために/土砂災害警戒情報を生かす防災
コラム
災害弱者の施設を土砂が襲う
都市から始まるサクラ前線
雨の降り方と土砂災害
前兆を土砂災害の避難に生かす
専門家と一般のズレ
第2章−5 火山の噴火被害を防ぐ地域の力
予知された噴火/火山の情報が変わった/火山情報の変遷/噴火を予知する/噴火の予知を生かす地域の防災力/予測が難しかった2000 年の三宅島噴火/噴火警報を生かすために
コムラ
火山とともに生きるまちづくり
9,400 年ぶりの噴火
登山者への新しい情報提供
第2章−6 地域の防災に消防の力を生かす
地域の防災と消防/高齢化社会の陰で/高齢者を火災から守る/雑居ビル火災を防ぐ/大規模建築物の安全確保/東京都渋谷区の温泉施設の爆発/消防団の活性化を図る/世界に学ぶ消防団の将来像/地域の防災力と消防
コラム
高齢者を守るための工夫
救急トリアージが問いかけるもの
子どもたちの事故を防げ
時代に合った消防団を
第3章 シンポジウムの作り方、進め方
シンポジウムについて書いてみたい/なんといってもテーマが大事/様々な立場の人に参加してもらう/取材が説得力を生む/全体の構成を考える/構成表の作り方/自己紹介の大切さ/議論は簡略に、話は整理して/結論までの筋道/会場からの質問は参加感を育てる/防災シンポジウムの実例/ ささやかなまとめ
コラム
わかりやすく話す
シンポジウムに入る様々な要素
パネリストが注意したほうがいいこと
現場に鍛えられて 〜あとがきにかえて〜