(3)燃焼の難昜

1)化学的親和力
 可燃物と酸素との結合力の大小により、酸化反応の難易が異なります。また、酸化反応の際に発生する反応熱が大きいものほど燃焼しやすい傾向があります。


2)物体の粒子
 物体の粒子が小さいほど、空気と接触する表面積が大きくなり、しかも周囲の熱伝導の悪い気体で取り囲まれており、熱を奪い取られることが少ないので燃焼しやすい。


3)可燃性ガスの発生
 可燃性ガスの発生が多いほど、すなわち他の条件が同じであれば蒸気圧の大きいほど燃焼しやすい。


4)温度の影響
 温度が高い場合には、反応速度が大きくなり、高い蒸気圧を示すので、両方の効果が重なって燃焼が盛んになります。


5)不燃性物質の含有度
 二酸化炭素、水、灰等は燃焼残渣で不燃物であるから、これらの混入の程度も燃焼に影響があります。


6)周囲の条件
 放熱条件が悪い時は、容易に着火温度に達し燃焼が起こりやすい。

◇(注)物質の危険性
・木材の熱分解によって生ずるガスは、二酸化炭素(炭酸ガス)、一酸化炭素、メタン、水素、アセチレンなどで、このうち不燃性のものは二酸化炭素だけです。
・燃焼速度……可燃性の混合気体の一点に点火した場合、その点の燃焼がほかの点に伝播する速度を混合気体の燃焼速度といいます。
・蒸気圧……固体又は液体と平衡にある蒸気の圧力を、その固体又は液体の蒸気圧といい、これは温度の函数であり、一般に温度が上昇とともに大きくなります。
・燃焼熱……燃焼熱が大きいことは、温度上昇を来すので継続、拡大に寄与します。
・比熱……物質の温度を上昇させるのに必要な熱量、比熱が小さいことは、小さい熱で温度が上がりやすいから危険であることを示します。
・沸点……沸点が小さいことは、低い温度で蒸気が発生するから危険であることを示します。
・電気伝導度……伝導度が小さいことは。電気を通し難いことで抵抗が大きいことを意味します。静電気は、逃げにくいから帯電しやすくなります。
・燃焼範囲(爆発範囲)の下限値……少ない容量のガスで爆発し得ます。
・危険物の指定数量の小さいものほど危険性の大きいことを意味しています。


(2)燃焼の仕方   (4)可燃性蒸気の危険性