風化させてはならない過去の大規模災害

6月19日  【温泉施設爆発火災】

〔平成19年6月19日、午後2時すぎ、東京都渋谷区の女性専用温泉施設シェスパの別棟〕
〔被害状況〕死者3人、負傷8人
〔発生の概要〕渋谷区の繁華街で発生した温泉採取施設の爆発火災により施設従業員、通行人まで巻き込み惨事となった。この施設は、地下1,500mから温泉を汲み上げるもので、地下1階に設けられた汲み上げポンプにより、地下から温泉を汲み上げていたが、それに伴い発生する可燃性ガス(メタンガス)の外部への排出処理が適切に行われていなかったため、充満した可燃性ガスが何らかの理由により引火・爆発したものとされている。この施設は、爆発火災により地階はもちろん、1階の従業員控室を含め、鉄骨造りの屋根まで爆破され、それにより周辺の数多くの建築物に被害を与えた。
 本事故を教訓に、この種の温泉の採取のための設備が設置されている施設にもガス漏れ火災警報設備の設置対象として強化された。

6月12日(木) 【1978年宮城県沖地震】

〔昭和53年6月12日、午後5時14分頃、宮城県沖100キロメートルを震源とするM7.4の地震が発生〕
〔被害状況〕死者28人、負傷1万1,028人、火災12件、全壊1,368戸、半壊6,067戸、
〔発生の概要〕地震による被害区域は東北から関東に及ぶ大規模な災害になった。特に宮城県、岩手県、福島県の太平洋に面した地域の被害が大きかったが、津波による被害はなく、幸に地域住民の火の始末が的確だったため火災による二次被害はほとんどなかった。しかし、死者28名のうち17名がブロック塀、石塀の倒壊による下敷きで死亡したこと、電気、水道、ガス等のライフラインの被害による都市機能のマヒなどが問題になった。
 建設省(現国土交通省)は、昭和43年の十勝沖地震の建物は概に対する反省から総合技術開発プロジェクト「新耐震設計法の開発」行われていたが、宮城県沖地震の地震被害で妥当性が実証され昭和55年に建築基準法施行令の改正が行われた。主な改正点は、
・大地震に対する安全性を確認するための構造計算として「二次設計」を新設。構造形式等に応じ、3つの計算ルートのいずれかを適用
・地震力の計算方法の見直し(水平震度時代の終わり)
・木造、鉄筋コンクリート造、補強コンクリートブロック塀等の仕 様規定も強化  など

6月6日(水) 【特別養護老人ホーム・松寿園火災】

〔昭和62年6月6日、午後11時20分頃、東京都東村山市 特別養護老人ホーム松寿園〕
〔被害状況〕死者17人、負傷25人、焼損面積 耐火造3階建延べ面積2,01平方メートルのうち2階部分450平方メートル
〔発生の概要〕松寿園は、高齢者収容施設で在園者の平均年齢は82.3歳であった。同園は消防設備、防火管理者の選任、消防計画の作成・届出、避難訓練の実施など関係法令に適合しており、また厚生省令に基づく特別避難階段も2か所備え、屋内消火栓設備、非常用放送設備を自主設置するなど、ハード、ソフト面の防災対策はかなりの水準を維持していた。
 しかし、17人もの死者を出す原因となったのは、当日の当直が2名では在園者74人に対応しきれなかったこと、初期消火、通報に手間取ったことがあげられるが、なにより自力避難が困難な災害弱者を収容する施設であったことがあげられる。
 前年の神戸市の知的障害者授産・収容施設「陽気寮」に続いた火災を受け、スプリンクラー設備の設置基準1,000平方メートル以上、火災通報装置及び一人で操作ができる屋内消火栓設備の基準の整備がはかられた。

5月24日(日)【チリ地震津波】

〔昭和35年5月23日、午前4時11分頃(日本時間)南米チリ南部沿岸M9.5、1900年以降一番の巨大地震〕
〔被害状況〕日本で、死者122人、行方不明17人、負傷872、全壊1,571棟、流失1,259棟、
〔発生の概要〕南米チリ南部沿岸で起きたM9.5の巨大地震は、チリ沿岸で10~20mの大津波を発生させ、これが環太平洋全域に波及し、なかでもハワイ諸島と日本に大きな被害をもたらした。
 津波は一昼夜をかけて翌24日震源から約1万7,000km離れた日本に到達し、北海道から沖縄に至る太平洋沿岸で4m前後の波高になり、高いところでは6mに達した。
 特に、岩手県大船渡市(死者50人)、宮城県志津川町(現南三陸町)(同37人)、北海道浜中村(現浜中町)(同11人)の被害が大きかった。
 津波警報を出すのに十分な時間があったが、日本沿岸でこれほどの規模になるとは予想されず発令がなかった。この災害を機に、このような遠地津波に対する国際協力に基づく津波警報システムが確立されることとなった。

5月13日(水) 【千日デパートビル火災】

〔昭和47年5月13日、午後10時27分頃、大阪市南区(中央区)難波新地の複合用途の千日デパートビル〕
〔被害状況〕死者118人、負傷81人、焼損面積9,736平方メートル
〔発生の概要〕千日デパートビルの3階「スーパーニチイ千日前店」で電気配管の改装中、婦人服売り場付近から出火、鉄骨鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、地上7階地下1階の同ビル2階から4階の9,768平方メートルを焼失する火災となった。
 出火当時、7階のアルバイトサロン「プレイタウン」は営業中で、客、従業員、バンドマンなど179人が滞在していた。出火階には大量の衣料品あり、しかも化学繊維製品が多かったため猛煙が立ち上り、エレベータ、ダクト等を伝わって、7階のプレイタウン店内に充満した。滞在者のうち、22人が飛び降り死亡、96人が窒息死した。
 保安員が7階関係者に火災が起きたのを通報しなかったこと、プレイタウン側の誘導避難が遅れたこと、避難者が救助袋の使い方を誤ったこと、衣料品や新建材が有毒ガスを出して燃えたことなど多くの要素が重なったための大惨事。この最大の死者118人というビル火災は、多くの教訓を残した。
 防火管理、共同防火管理体制の強化、消防用設備等の基準の強化はじめ、既存建物への遡及適用についてもこの教訓をもとに強化された。

5月6日(木)【柿の木坂タンクローリー火災】

〔昭和60年5月6日、午前11時30頃、環状7号外回り目黒区柿の木坂付近〕
〔被害状況〕負傷1人、全焼1棟、ぼや5棟、セミトレーラー型タンクローリー1台焼失
〔発生の概要〕柿の木坂付近を走行中のセミトレーラー型タンクローリーが、急ブレーキをかけたところ、雨に濡れた路面でスリップし、並行中のの乗用車に衝突して横転。積載していたガソリン16,000リットル、軽油4,000リットルが漏洩し、引火して火災になった。
 東京消防庁は消火・延焼防止活動に努めるとともに、火災警戒区域を設定、付近住民にガス、電気の使用を控えタバコも吸わないように広報活動と、避難誘導により比較的軽微にすんだ。
 この事故を踏まえ、その管轄内にある移動タンク貯蔵所ついて、応急措置命令等ができるよう改正された。

4月27日(月) 【呉市山林火災】

〔昭和46年4月27日、午前11時10分頃、広島県呉市広町の山林〕
〔被害状況〕消防職員18名殉職、焼損面積340ヘクタール
〔発生の状況〕昭和46年4月27日、午前11時10分頃、呉市広町の民有林で、道路整備作業にあたっていた作業員の昼食用のお茶を沸かすためたき火をしたところ東南東の強い風にあおられて崖の枯草に燃え移り、異常乾燥注意報、火災警報発令中のという悪条件のもと、一挙に拡大林野火災となった。
 小径を基礎としてして防ぎょ線を設定すれば有効な阻止線になると判断、作業を開始し、その目的の防ぎょ線の設定を完了し、引き続いて燃え下がり部分に対する鎮圧しようとしたところ。
 突然、気象の変化により、東寄りの風が南寄りの猛烈な局地風となり南側火線より北側の山下草生地にに飛火と思われる火炎が上昇した。この状況を監視していた監視員より無線により避難を命じたが、飛火はさらに拡大、火勢は相乗するように稜線に向かって幅300メートル傾斜角度30度~50度の斜面を急上昇、隊員の退路を包むかのように上昇し、山頂まで約600メートルを上がり来た。

4月8日(水)【大阪地下鉄工事現場都市ガス爆発火災】

〔昭和45年4月8日、午後5時47分、大阪市大淀区(現北区)〕国分寺町の地下鉄堺筋線・天神橋筋六丁目(通称=天六)駅工事現場〕
〔被害状況〕死者78人、負傷411人、火災罹災31棟、焼損面積1,707平方メートル、爆風棟による一部損壊65棟、道路は、長さ150m、幅10m、深さ10mにわたって大きく陥没。
〔発生の概要〕地下鉄駅の工事現場で、埋設ガス管の継ぎ目部分がはずれによるガス守事故があり、調査中の大阪ガスの緊急事故処理車がエンジンを始動させたところ、車の下が燃え上がり、、しばらくして地下に充満した都市ガスが大爆発を起こした。工事現場をおおっていた重さ400kgの覆工板が広範囲に吹き飛んだほか、ガスの炎が噴出して火災となった。
 ガス漏れ事故は、午後5時15分頃とみられるが、火災の発生と爆発は5時47頃に起き、この間、周辺住民や集まった野次馬に対する適切な避難措置が取られていなかったことが、人的被害を大きくしたと、大きな問題となった。
 また、地下鉄工事に伴う埋設ガス管の取扱いやガス漏れ対策について、大きな教訓を残した。