KSS 近代消防新書No.2
改訂 国民の財産 消防団

  〜世界に類を見ない地域防災組織〜
■後藤 一蔵著  新書判/212頁  定価(本体900円+税)送料209円
 消防団とは、地域社会にとっていかなる存在なのか、世界に類を見ない防災組織「消防団」の直面する課題と未来への提案で、多くの国民に防災に対する心構えを喚起する。
主 な 目 次
まえがき
序 章 今日の消防団をめぐる状況
消防団活動の必要性/消防団が直面する厳しい現実/消防団は地域の安心・安全防波堤/消防団の存続の奇跡
第1章 消防団の成立
警防団から消防団へ/「エンジェル」の消防制度改革/日本の「SHOUBOUDAN」
第2章 数値から見る消防団の動向
消防団員数の推移/都道府県別消防団の動向/消防職員の増加
第3章 消防分団の運営実態
消防分団数の推移/分団組織と運営/各市町村の消防団予算と地域補助
第4章 女性消防団員の誕生と役割
女性消防団の先例と増員対策/女性消防団の役割/所属分団の類型化と10万人体制確立を
第5章 阪神・淡路大震災における消防団活動
神戸市消防団活動の概況/消防団員の手記から/コミュニティ活動との連携−淡路島・北淡町
第6章 消防団活性化対策
阪神・淡路大震災前後の消防団をめぐる動き/消防庁による消防団活性化対策/消防団員確保のための消防庁通知
第7章 消防団をめぐる新たな動き
地域防災計画における消防団の位置/他の防災組織との協働/「災害文化」の継承
第8章 国民の目に映る消防団像
消防団に対する認識度/消防団に対するイメージ/期待される将来の消防団
終 章
「岩手・宮城内陸地震」のアンケート調査/国民保護法の成立と消防団の対応/消防団活性化のための方策と提案
あとがき

= あとがきから抜粋 =
 国民の財産!消防団』を刊行してから、3年が経過しました。この間、国の内外で巨大地震が頻発しました。また平成の合併により、消防団数は大幅に減少、消防団員数も下げ止まらない状況が続いています。
平成20年6月14日、「岩手・宮城内陸地震」が発生しました。(中略)現地に何度か足を運び、消防団員の方々を中心にお話をうかがう中で、自治体消防が発足してから60年という時間の経過は、消防団と地域住民の乖離を拡大し、消防団の今日的危機をもたらす要因のひとつになったのではないかとさえ考えるようになりました。
 私自身に「何ができるか」、「なをやらなければならないか」ということが、頭の中を何度も駆け巡りました。消防団組織の研究を長年続けてきた私にとって、消防団活動の実態とその必要性を多くの人に知らせることこそが、重要であると考えるようになりました。
 (中略)
 この『改訂版』を書きながら、消防団組織の研究について新たな問題意識も鮮明になりつつあります。より一層、前進することを心に誓っています。