市民防災の明日を信じて

 

松井 一洋 著
四六判/248頁 定価1,700円(本体1,545円+税)送料209円









本書は、現代防災の主要なテーマについて、「地(社会の成り立ちや文化的土壌)」と「図(制度の配置や支援設計)」の両面から見つめ直し、よりレジリエンスな未来社会のあり方を問い直す、ささやかな試みを記した一冊。



目  次

はじめに~防災思想の再構築に向けて

第一章 災禍・残心・言伝
阪神・淡路大震災(1995年1月17日㈫)
COLUMN あのとき、変われたはずだった
東日本大震災(2011年3月11日㈮)
COLUMN 災害孤児への支援
広島土砂災害(2014年8月20日㈬)
熊本地震(2016年4月14日㈭・16日㈯)
西日本豪雨(2018年7月6日㈮~12日㈭)
令和元年東日本台風(2019年10月12日㈯~13日㈰)
令和2年7月豪雨(2020年7月3日㈮~31日㈮)
熱海伊豆山土石流(2021年7月3日㈯)
令和6年能登半島地震(2024年1月1日㈪)

第二章 自然・社会・技術
「自然との共生」と減災の理念
自助・共助のありかた~都市型コミュニティの変容
COLUMN 社会ネットワークの基礎研究
公助の新しい姿~「災害コホート」としての共感と協働
COLUMN 補完性の原理と災害対応
地震予知の方針転換~東海地震から南海トラフ地震へ

第三章 情報・心理・救援
災害情報の伝達をめぐる課題
COLUMN 避難をためらう諸事情
DXがもたらす「第5の革命」
災害心理の時系列による変化
救助者・救援者・支援者が直面するジレンマ

第四章 支援・避難所・福祉
支援の基本理念~「善く生きる」ために
COLUMN 被災からの再生と自立に寄せて
被災者支援の歴史
防災と福祉の再統合へ
要援護者の避難支援
COLUMN 福祉避難所
避難の多様化と避難所のありかた
COLUMN 「スフィア基準」の導入

第五章 未来へつなぐ防災
多様性の承認から異文化共生へ
歴史と文化に宿るジェンダー問題
性的指向・性自認(SOGI)と災害対応
災害と防犯・治安について
教訓の伝承と災害伝承館
国際防災戦略とわが国の役割

おわりに~ともに生きる明日へ
索 引(巻末からご覧ください。)